ソフトバンク・川﨑宗則はすごい。活躍の鍵となる「間」――建山義紀の「野球プロ目線」 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

BEST TiMES(ベストタイムズ) | KKベストセラーズ

ソフトバンク・川﨑宗則はすごい。活躍の鍵となる「間」――建山義紀の「野球プロ目線」

メジャー帰りのメリットとデメリットとは

メジャーと日本、違いがあるとすれば、コンディションが低下したときの力

 私自身、アメリカで学んだことがたくさんあります。
 驚いたのは、メジャーでプレーする選手たちのコンディショニングに対する意識の高さです。積み重ねた技術が日本とアメリカで大きく変わるということはないと思います。

 けれど、差があるとすれば、コンディションが低下したときにどのくらい力を発揮できるか、という部分だと思います。

 イメージにないかもしれませんが、メジャーでプレーする選手たちはコンディショニングに対するケアについてしっかりと考えています。
 試合後はケア、試合前はトレーニング。そのメリハリがあるのです。試合前にトレーニングをすると聞くと、疲れて試合に臨めないだろうと思われるかもしれませんが、長いシーズンをトレーニングなしで持たせることはできません。だから、選手たちは試合前にガンガン、ウエイトトレーニングをします。バッティング練習をせずに試合に臨むことはあっても、こうしたトレーニングは欠かさないのです。

 加えて、試合後はケアをしたらすぐに帰ります。日本の場合、試合後に選手たちで食事に行くというのはよくあることですが、アメリカでは全くありませんでした。選手同士で食事にいることがあるとすれば、ビジターゲームのデーゲームが続いた中日くらいです。
 まあ、これには過密日程でそんな暇がないということも関係しているとは思うのですが……(笑)。

アメリカでの経験は間違いなくチームのプラスになる。

 同じように川崎選手もアメリカで学んだ、多くの引き出しがあるはずです。そうした経験は大きなメリットになるでしょう。

 一方で、これから日本野球へのアジャストは大きな課題となることが予想されます。

次のページ「間」の違いにアジャストできるかどうか

KEYWORDS:

オススメ記事

建山 義紀

たてやま よしのり

1975年12月26日生まれ。大阪府出身。 98年ドラフト2位で日本ハムファイターズに入団。ルーキーイヤーから先発ローテーションに定着し、6勝をあげる。以降、セットアッパー、ストッパーなどで活躍、日本一にも貢献。2010年オフ、FA権を行使しMLBのテキサス・レンジャーズに入団、13年にはNYヤンキースへ移籍。2014年6月に日本球界復帰(阪神タイガース)しこの年、現役引退。野球解説者として活躍中。


この著者の記事一覧