ソフトバンク・川﨑宗則はすごい。活躍の鍵となる「間」――建山義紀の「野球プロ目線」
メジャー帰りのメリットとデメリットとは
メジャーと日本、違いがあるとすれば、コンディションが低下したときの力
私自身、アメリカで学んだことがたくさんあります。
驚いたのは、メジャーでプレーする選手たちのコンディショニングに対する意識の高さです。積み重ねた技術が日本とアメリカで大きく変わるということはないと思います。
けれど、差があるとすれば、コンディションが低下したときにどのくらい力を発揮できるか、という部分だと思います。
イメージにないかもしれませんが、メジャーでプレーする選手たちはコンディショニングに対するケアについてしっかりと考えています。
試合後はケア、試合前はトレーニング。そのメリハリがあるのです。試合前にトレーニングをすると聞くと、疲れて試合に臨めないだろうと思われるかもしれませんが、長いシーズンをトレーニングなしで持たせることはできません。だから、選手たちは試合前にガンガン、ウエイトトレーニングをします。バッティング練習をせずに試合に臨むことはあっても、こうしたトレーニングは欠かさないのです。
加えて、試合後はケアをしたらすぐに帰ります。日本の場合、試合後に選手たちで食事に行くというのはよくあることですが、アメリカでは全くありませんでした。選手同士で食事にいることがあるとすれば、ビジターゲームのデーゲームが続いた中日くらいです。
まあ、これには過密日程でそんな暇がないということも関係しているとは思うのですが……(笑)。
同じように川崎選手もアメリカで学んだ、多くの引き出しがあるはずです。そうした経験は大きなメリットになるでしょう。
一方で、これから日本野球へのアジャストは大きな課題となることが予想されます。